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ブハラ (1)/ウズベキスタン

ウズベキスタンの首都タシュケントの南西約450kmに位置するブハラは、サマルカンドと共にシルクロードの重要拠点として繁栄したオアシス都市。その歴史は古く、考古学上では紀元前5世紀頃には現在の地に城壁に囲まれた都市が築かれていたとされている。紀元後にはイラン系ソグド人の都市国家が建設され、ブハラの商人たちは東西交易の仲介者として活躍していたらしく、7世紀の中国の文献にはブハラは「安国」と記されて登場する。8世紀初頭のイスラム帝国の勢力増大とともにイスラム化が進み、9世紀後半にサーマーン朝(土着のイラン系貴族)が成立すると、ブハラは10世紀末まで王朝の首都となり、イスラムの学術とイラン文化の中心地となっていく。 
13世紀前半、モンゴル軍によってブハラは征服され市街は荒廃するが、同世紀の後半には復興する。しかし15世紀のティムール朝まで政治的な中心はサマルカンドにあったため、征服以前の繁栄には及ばなかったという。16世紀後半に至り、ウズベク人のシャイバーニ朝によってサマルカンドから遷都され、ブハラ・ハン国の首都となるとブハラは再び拡大し、地域の政治・経済・文化の中心地となっていく。中央アジアの他の都市同様に、繁栄と破壊が繰り返された歴史を持つブハラに残る遺跡のほとんどは、ブハラ・ハン国の首都として栄えた16世紀のものである。
19世紀後半には、ロシア帝国の南下政策によって植民地に組み入れられ、1917年のロシア革命後はブハラ人民ソビエト共和国(1920~1924)の首都となり、1924年、ウズベク・ソビエト社会主義共和国成立後の1928年ブハラ州の首都となる。1991年のソ連崩壊後、独立国ウズベキスタン共和国の国領となる。

カラーン・ミナレットとモスク
ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_10432972.jpg
町のどこからでも見えるブハラのシンボル“カラーン・ミナレット”は、カラハーン朝 (9世紀~12世紀:中央アジアのトルコ系遊牧民族のなかで、最初にイスラム化した集団と考えられ、サーマーン朝を滅ぼした後、西トルキスタン一帯にティルク(トルコ)・イスラム文化を確立する。)時代の1121年に創建されたカラーン・モスク (16世紀に再建されたもの。)の前に建設されたミナレットで1127年の完成。基底部の直径約9m、高さは約46mで、西トルキスタンに現存するミナレットのなかでは最大規模を誇る。1220年のモンゴル軍による占領で、モスクは破壊されたと考えられているが、ミナレットは破壊をまぬがれたことから多くの伝説が残っている。その一つが、モンゴル帝国の初代皇帝チンギス・ハーンが、このミナレットに感動し、部下に破壊をやめるよう命じたため、という説である。
上の写真はカラーン・モスクの中庭から、回廊越しにミナレットを望む。
ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_1046305.jpg

ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_10471662.jpg上の写真は、ミナレット上部のアザーン(礼拝の呼びかけ)が行われていた部屋からカラーン・モスクを俯瞰する。1万人の信者が礼拝できるという大きさは、サマルカンドのビビハニム・モスクに匹敵するとされ、中庭を囲む回廊は208本の柱と288の小さなドーム屋根で構成されている。
左の写真は煉瓦造りのミナレット内部の螺旋階段。段数は105で、段鼻には木材が使われている。






下の写真は、ミナレットから眺めたブハラ旧市街。
手前のドーム屋根の建物は現在博物館のようであり、左の中庭を持つ2階建ての建物はアブドゥールアジス・ハーン・マドラサ。その奥のドームを持つ建物は小さなモスクである。
ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_10512434.jpg

ミル・アラブ・マドラサ
ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_10574459.jpg

ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_10585688.jpgカラーン・モスクに面して建ち、青いモザイクタイルで装飾された巨大なアーチを持つ正面入口と、ドラムに精緻な装飾が施された2つの青いドーム屋根が特徴的なミル・アラブ・マドラサは、末期ティムール様式の典型的な例と言われている。
1536年の建立で、宗教を禁じたソ連時代にあっても、中央アジアで開校を認められていた数少ない神学校。
上の写真はカラーン・モスクの入口側からミル・アラブ・マドラサを正面から見る。

左の写真はカラーン・ミナレットから俯瞰したもの。中庭を囲んで回廊があり、一階に講義室や図書室などが設けられ、2階がフジュラ(学生のための寄宿舎)となっている。
奥の土色のドームはタキと呼ばれる交差点を覆うバザールで、ブハラ市内には幾つかあり、このバザールはタキ・ザルガランという宝石商市場。
そのドームの先にウルグ・ベク・マドラサがあり、向い合ってアブドゥールアジス・ハーン・マドラサが建っている。



ウルグ・ベク・マドラサとアブドゥールアジス・ハーン・マドラサ
ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_1162589.jpg
ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_117020.jpg
ティムールの孫であるウルグ・ベクが、真の教育施設にしたいと願って1418年に創設した神学校で、1585年に修復はされているが、中央アジアに現存する最古のマドラサで、現在は歴史博物館となっている。
上の写真は正面入口と中庭側。マドラサの扉には、「向学心こそムスリムにはなくてはならぬもの」と記されている。
下の写真は、ウルグ・ベク・マドラサの真向かいに建つアブドゥールアジス・ハーン・マドラサ。ウルグ・ベク・マドラサの創建後、200年以上も経てから建てられているので、色彩も豊かになり、中央イワーンにはムカルナス装飾も見られるなど、イスラム建築の変遷が見えてくる。
ブハラ (1)/ウズベキスタン_e0116578_1193033.jpg

toshinacHP
by toshinac | 2017-12-11 11:10 | trip photos