works & trip photos     (c)Toshiaki Nakazawa all right reserved.


by toshinac

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
trip photos
works
未分類

検索

最新の記事

ブータン王国/ウォンディ・ポダン
at 2017-08-09 10:21
ブータン王国/プナカ
at 2017-07-19 09:42
ブータン王国/ティンプー(2)
at 2017-07-01 16:43
ブータン王国/ティンプー(1)
at 2017-06-17 08:08
ブータン王国/パロ(3)
at 2017-06-06 09:27

以前の記事

2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月

記事ランキング

画像一覧

カテゴリ:未分類( 1 )

カーシャーン/四半世紀前のイラン

e0116578_11201730.jpg
サファヴィー朝期に栄えた古都カーシャーンは、聖都ゴムから南下すること約120km、カヴィール砂漠(アルボルズ山脈南東部、イラン高原にある幅320km長さ800kmにも及ぶ広大な沙漠)の西端に位置している。Great Salt Desertと表記されるように、折出した塩の層が地表を覆う“塩砂漠”があるほどの乾燥地だが、イラン南西部を走るザグロス山脈系の雪解け水を利用したカナート(地下水路)等で、灌漑用水を確保することで発達し、陶器の生産と美術・学芸の都として名を馳せ、サファヴィー朝下では絹織物や絨毯などの産地として栄えたオアシス都市。前出(ゴム/四半世紀前のイラン)の吉田正春のペルシャの旅には「・・・北より来るもまた南より来るも、旅客は皆ここに来集す。市上の駱駝驢騎は貨物と共に輻湊し、恰(あたか)も沙漠の要口すなわち大海における港湾と相同じ。」と記されている。
この自然環境が薔薇の栽培に適したことで、近郊の農村では古くから薔薇水や薔薇油が生産され、近年は“カーシャーンの薔薇水”として広く世界に知られるところ。ちなみに薔薇の原産国はイランで、薔薇は国花でもある。上の写真は、バザールの屋根の上から眺めたザグロス山脈とカーシャーン旧市街。

バザール
e0116578_11363767.jpg

e0116578_11372816.jpg上の写真は、沙漠の砂埃や夏の暑さ、冬の寒さをしのぐ土塗りのドームが連続するバザールの屋根。


左の写真は、長いバザールの中程にある大ドームを頂いた広場で、周囲の部屋はかつてのキャラバンサライ(隊商宿)。ドーム頂部や側面の開口から降り注ぐ光が、“ムカルナス”と呼ばれる蜂の巣のような立体的な装飾(10世紀以降中東を中心に発達した装飾だそうで、時代を下るごとにその緻密さは増したという。)を効果的に浮かび上がらせる。







下の写真は、そのキャラバンサライの広場を覆う大ドームの外部。
e0116578_11403647.jpg

ボルージェルディー(Borujerdis)邸
e0116578_11423477.jpg
19世紀に造られたこの住宅は、カーシャーンの裕福な貿易商であったハジセイェド・ハッサン・Natanzi(ボルージェルディーは愛称)氏の私邸で、建築家アリ・マリアム・カーシャーニ(19世紀に活躍したイランの建築家)が設計し、完成(1857年)には18年の歳月を要したとされている。ペルシャの伝統的住宅建築の傑作と評され、現在は博物館として一般に開放されている。
上の写真は、緑と水で潤うボルージェルディー邸中庭を見る。正面は夏の暑さをしのぐ開放的な場所“ターラール”。屋根に突き出た2本のバード・ギール(Wind catcher)と呼ばれる採風塔が、外部に対して窓を持たない住宅に通風をもたらし、地下に導かれたカナートからの水が冷却水となって夏場の涼をとる場となっている。下の写真左は入口。扉に取り付けられた左右のドアノッカーはデザインが異なり、左の円環状は女性訪問者、右の棒状は男性訪問者用である。下の写真右上は玄関ホール上部見上げ。下の写真右下は、バード・ギールとターラールのドーム形態がユニークな屋上部分。さらに下の写真は、ボルージェルディー邸の屋上越しにザグロス山系の雪山を望む。
e0116578_11445592.jpg
e0116578_11455132.jpg

アガー・ボゾルグ・モスク
カーシャーン旧市街中心部にある神学校を併設したこの歴史的なモスクは、建築家ハジ・Sa’ban・アリ(18世紀のイラン人建築家)によって、18世紀の後半に構築されたカジャール朝を代表する建築の一つとされている。このモスクの特徴は、砂漠性の気候を考慮したこの地域の他の建物と同じように、木々の緑が生い茂る中庭を設けていることだが、中庭は地下に造られ、その周りを神学校の学び舎が取り囲むという形態となっている。深さはないが中国の“下沈式窰洞住居”の構成だ。この建築には、弟子であったアリ・マリアム・カーシャーニ―(ボルージェルディー邸の設計者)も関わったといった説もあると聞くと、この地域の伝統的住宅の要素が見られるというのも納得してしまう。
下の写真2葉は、中庭を介して見たモスク(上)と反対側からの眺め(下)。
e0116578_11492724.jpg
e0116578_1150926.jpg

フィン庭園
カーシャーンの南西に位置するフィン庭園は、16世紀のサファヴィー朝に造られたペルシャ式庭園(水路によって田の字型に分割された幾何学的な庭園で、四分庭園(チャハル・バーグ)ともいう)で、2012年にユネスコの世界遺産に登録されている。カナートで導かれた水が、地形の傾斜と管径を変えて水圧を調整する方法を用い、水路の中に小さな噴水を連続させているのが特徴的。
下の写真は、庭園中央のある4面開放のパヴィリオンから見た水路。訪れた当時はイランの国家遺産にはなっていたが、国内情勢もまだ戦後の復興時期、庭園の整備にはまだ時間を要するのでは?といった印象だった。
e0116578_11522288.jpg

toshinacHP
[PR]
by toshinac | 2016-02-25 09:58