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ジョン・ハンコック・タワー

アメリカには、ジョン・ハンコック(初代マサチューセッツ州知事で、アメリカ独立宣言に最初に署名した政治家) の名前に因んで名付けられた地名や事物が少なくない。ボストンのランドマーク的な超高層ビル“ジョン・ハンコック・タワー”もその一つである。設計はヘンリ―・N・コブとI・M・ペイ&パートナーズ(現在は“ペイコブフリード&パートナーズ”としてニューヨークを拠点とする国際的な建築事務所)で1968年の着工。高さ240m60階建てのオフィスビルで、スパンドレルパネルのない、総ミラーガラスのカーテンウォールが創りだすシャープな形態が美しい建築である。
下の写真左は青空に映えるジョン・ハンコック・タワー。平行四辺形の平面形状はエッジのシャープさを際立たせ、塔状に見える短辺を分割することでより垂直性を強調している。下右はボストン市立図書館(設計:フィリップ・ジョンソン ジョン・バージ)越しに見るジョン・ハンコック・タワー。
ジョン・ハンコック・タワー_e0116578_1416970.jpg
ガラス張り超高層ビルの黎明期の一翼を担ったともいえるジョン・ハンコック・タワーの工事は、完成間近の1972年の夏以降、風の強い日にガラスが破損して次々に落下する事態に陥り、原因の究明や責任を求める争い、そして賠償責任の訴訟合戦などで話題をまいた建築であるが、最終的にはビル全てのガラスが新しい熱線反射ガラスに取り換えられ1976年に完成した。原因は、二重ガラスのガラス間の空気の膨張と収縮による熱応力に、ガラスを隔てるスペーサーの弾性力(現在はシリコン等の弾性材が用いられるが、ここではクロム加工された鉛が用いられた)がなく、繰り返えされるガラスの振動でスペーサーにひび割れが生じ、ガラス自体に影響を及ぼしたとされている。また風の影響で揺れが大きかったことから、これを解消するため58階の両端に300トンの鉛の重りを設置。ビルの揺れに重りがスライドして揺れを緩衝させるという、現在のマスダンパー型制振装置である。

ジョン・ハンコック・タワー_e0116578_1417478.jpg
訴訟問題やふくれ上がった総工費と大幅なビル開業の遅れなど、大変な困難を乗り越えたジョン・ハンコック・タワーではあったが、2011年にはA.I.A(アメリカ建築家協会)による“25年間賞”を受賞。永続的な美しいデザインが評価されている。

左の写真上:シンプルなビルのエントランス。通りの反対側に建つバークレイビルを映す。

左の写真下:最小限に抑えられたマリオン(方立)とフレームで構成されたガラス面がいきなり歩道から建ち上がる。





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by toshinac | 2014-08-21 14:04 | trip photos